先日参加した有機農業の勉強会で聞いた話に『農薬と自閉症』に関する内容がありました。じぶんのなかで腑に落ちる感覚もあり気になったので帰ってからいろいろと調べてみました。
要約するとグリホサートと言う成分を含む除草剤(商品名ラウンドアップ)が自閉症の増加に関連しているのでは?との疑念があるらしいのです。このグリホサートは植物の代謝系を遮断・破壊する効果があり、ほとんどあらゆる植物を枯らしてしまいます。ただ『人の代謝系とは違う系統を破壊する成分なので、ひとには害がない。』と言うのが、製造会社の言い分になります。
元々は雑草用の除草剤として使われていました。が、遺伝子組み換え技術によって『ラウンドアップ耐性農産物』が作られるようになり、遺伝子組み換え大豆やとうもろこしなどにも散布されるようになりました。(それら耐性種子の特許はおなじ会社が持っています。種と薬を制すればすべては意のままですね!)
ひとの代謝系とは違う。とは言え、ひとの身体のなかには無数の微生物が共生しています。摂取した農産物の残留成分がその微生物を殺す。結果、自閉症や鬱などの精神障害や癌や免疫系の疾患が増えているのではないのか?と考えられているのです。腸に住む他人(微生物)を殺す事のなにがダメなのか?有機栽培農家の目線からひも解いてみます。
有機や自然農法をしていると土壌微生物のちからを目の当たりにします。勿論、農家さんによって考え方や捉え方の差はありますが(微生物の事とか全然考えていない人もたくさんいます)、少なくともぼくは『できるだけたくさんの種類の生物がいる畑=良い野菜が育つ土台』と考えて、田畑のお世話をさせてもらっています。その考え方は体験的に、感覚的に 間違えていない。と年々つよく感じています。
なぜなら、りんもく舎の畑には農学上野菜栽培に必要とされる各種栄養素のほとんどが足りていないと思われるからです。(土壌分析などしていないのでたぶんにはなりますけれど…)
だって、もうずっとマトモに施肥をしてはいないのですから
与えているのは米糠と籾殻を主体とした発酵肥(ぼかし)と刈り取った雑草、炭素資材(廃菌床)をほんのちょっとだけです。やり方も『野菜に肥料を与える』のではなく、『土に生きる微生物に餌を与えている』感覚なのです。
それでほとんどの野菜は強く元気に育っています。
学問上 栄養は全然足りないはずなのに、なぜ?
その答えが微生物(バクテリアや菌)なのではないでしょうか?
菌やバクテリアが野菜に必要な栄養素を届けている。仲介をしている。(エンドファイトと言います。)
おなじように科学的には証明されてはいないのかもしれませんが『ひとが栄養を取り込む為に、菌やバクテリアが身体に共存しているのではないでしょうか?』
共存、共栄、共生 という生きとし生ける者の大切な繋がり。
野菜を育て自然を観察すればするほど『自然の懐の深さ、完全性』に感嘆をします。単純で複雑、脆弱で強固、繋がり合い絡み合い、循環する。
人も自然の子。だから、ひともひとだけでは生きていけない。身体のなかにもたくさんの命が共存していて、そんな彼らを殺してしまえば、多様性がなくなった土では野菜が病気や虫に負けてしまうように、不調になって当たり前 なのだと思います。
近頃はやりの滅菌、抗菌、殺菌なんかは菌の悪い側面しか見えていない視野狭窄になったひとが増えたせいだと思います。なにかを強制的に排除すればバランスは崩れる。当たり前。生きる糧、身体の元を疎かにする。バランスが崩れて当たり前。
目玉が ¥マーク になってちゃそのうちエライ目に合いますよ。本当に
PS:危険性から各国で禁止・規制強化され始めているラウンドアップを先進国で唯一(他の国で使えなくなった分を引き受けるかのようなタイミングで)ドンドン規制緩和している美しい国があるらしいですよ。
ホント、目の前の人参に飛びついてちゃエライ目に合いますよ。