おいしいから食べる❔

 雨が降って日が差せば野菜がグッと大きくなります。それ以上にググッと大きくなるのが雑草です。曇天の下で畑回りと畝間の雑草を刈り込みます。本当は晴天が続くときに刈りたいのですが(刈り草の乾燥と雑草抑制に効率がよい。)、いつもいつもベストタイミングとは、いきません。

畑の畝間の草刈りをしていたら雑草のなかで『キャベツ』が丸々と肥っておりました。去年の初冬に、余ったキャベツ苗を畑の角に適当に植えておいたモノです。外葉は青虫に囓られていますけれど、キャベツ本体はきれいなモノです。

よい土で野菜を育てれば、虫に食べられたり病気になりにくくなります。ただ野菜の種類によって難易度はバラバラで、キャベツは結構難しい部類の野菜になります。うちでも販売用のキャベツは商品化率を考えて、防虫布でカバーして育てています。

でも、この雑草のなかのキャベツは完全放置でもしっかりと結玉しています。

 

 昼食時、子守に来てくれている義母に息子が質問。『なんで虫は野菜を食べるの?』と、義母は『お父さんのお野菜がおいしいからだよ。』って、

それ、ちょっと、違う。

 

虫が食べる野菜=美味しい野菜 ならば、有機や自然農の野菜は=美味しくない野菜 になっちゃいます。だって慣行栽培の野菜を農薬を使わずに育てたら大抵エライコトになっちゃいますからね。慣行栽培野菜はエライコトになるくらい美味しい野菜なのか?

 

アフリカのサバンナでライオンは健康なシマウマを襲いますか?襲わないよね。だいたい子供とか年寄りとか病気になったシマウマを襲うよね。弱いモノから間引かれていくよね。

自然はとても良くできています。弱いモノや不自然なモノ、不必要なモノの命を、優先的に別の命に引き継がせます。自然は循環する世界なんです。だから、必要以上に虫が食べる野菜は、弱い、不自然で不必要な野菜なのではないかな?と、僕は考えています。

僕の言ってる食べられるってのは、成長できないレベルで食べられる。って意味ね。うちの野菜も勿論 適正なレベルでは食べられます。

森の木々や草原の草花はけっして虫に食べ尽くされたりはしません。勿論、まったく食べられない訳でもありません。食うものと食われるもののバランスが調和しています。田畑の野菜や稲だけが、農薬を使わなければ全滅する勢いで虫に食べられたり、病気になったりします。それは、田畑が自然から切り離されているせいではないだろうか?循環のシステムから外れているせいではないだろうか?と、僕は考えています。

今日取れたキャベツは冬の間 雪の下で小さな体でジッと耐えていました。その間にちょっとづつ、すこしづつ必死で根っこを伸ばしてきました。いつか来る 春を待ちわびて

雑草に負けない。病気にも負けない。しっかりとした土台を寒さのなかで作りました。そんなキャベツをモンシロチョウは『次世代の種をつける価値ある野菜』と認め、自然と調和してる『殆ど雑草』と思って卵を産まなかったんじゃないですかね(笑)?

オカルトですけど、百姓鈴木は結構本気でそう思っています(笑)。