スギナは強い❔

 自然農は観察の農業だなぁって、思います。野菜だけではなく、雑草の植生遷移や虫の種類、増減、圃場内全ての状態を観察して、自分なりの理論を導きだし、軌道修正をしていきます。

勿論、僕の感覚や理論がいつも正しい訳はなく、失敗 → も一度、観察 → 修正 → 失敗 を、日々 繰り返します。トライ&エラーの日々です。

でも、失敗すれば、ひとつ賢くなる(ハズ)。少し、自然の事が判る(ハズ)。なんですよね。(そー思わないとやってられないですしね。)

 

 今年のうちの畑はスギナ(つくしの親分)が多かったです。スギナは農家にとても嫌われている雑草で普通の草のように抜けば終わりではなく、抜いても、抜いても地下茎で増えていきます。そして経験的にスギナの繁茂する畑では、野菜が育ちにくいとわかってるから、農家に嫌われます。

うちの畑では例年 殆どスギナは生えません。でも、今年は相対的に多かった。

どうしてだ?

ここから観察と想像を始めます。

今年の春は、雨が少なく気温も低くて、雑草の発芽と成育が不良でした。

ふむふむ。なるほど。なるほど。

で、僕の出した答えは、『他の雑草が少なかったからスギナが出てきた。』です。

野原を観察すればよーく判るのですが、他の雑草が繁茂している土地にはスギナは余り生えていません。環境が悪くて(耕土が浅い、極酸性、極乾燥、生物相が薄いなどなど) 他の雑草が生えにくい場所にスギナは生えます。

強くて排除しづらいと思われているスギナは『実はとても弱い雑草』なのではないか?そんな考えにたどり着きました。

『スギナが生えるから悪い畑』になるのではなく『悪い畑だからスギナしか生えれない』のではないか?

皆の想像と真逆なんですよね。

スギナを無くすにはスギナを抜くのではなく、他の雑草が生える事のできる土を育ててやれば良いのです。土が生き返れば、自然とスギナは姿を消します。

自然のなかでは『強いと弱い』は背中合わせの陰陽なのだと思います。シマウマはライオンのエサです。でも、シマウマはライオンの数百倍はたくさんいます。生物として強いのはどっち?

スギナは他の雑草が生えれない土地に育つことができます。その代わり他の雑草が元気に育つ土地では、他の雑草に負けていなくなってしまいます。強いのはどっち?

きっと、自然のなかでは『強いも弱いも』ないのです。すべての生き物がそれぞれの戦略と特徴を持って、戦いながら、調和しながら、共存共栄しながら、じぶんの居場所を確保しているのです。

自然はとても強いから、とても弱い。

いまの僕の考えと合致しています。

まぁ、理論的に正しいか正しくないかはわかんないですけどね~。