空豆ゆりかご

 7月に入りました。まだ梅雨空は続いています。

今日 空豆の初収穫をしました。普通の土地では、空豆やえんどう豆は晩秋に種を畑に直蒔きして、ちいさい苗の状態で越冬させます。冬の間にゆっくりと根を下ろした空豆やエンドウは、春の訪れと共に大きく育ち、花を咲かせ実をつけます。

ここ信濃町では積雪が多く、冬の寒さも厳しすぎて、空豆やエンドウ豆の越冬ができません。そんな理由から早春にポリポッドで育苗して、4月の中旬に畑に定植をします。ただ、畑でゆっくりと成長する時間がないため、収穫量は少なくなります。

特に空豆は、ある程度の大きさになってから寒さに当たる事で開花のスイッチが入る性質があり普通の品種では収穫する事すらままなりません。そんな訳で、ぼくは『駒栄』と言う低温開花が必要のない春蒔き専用品種を育てています。ただ、低温開花が必要ない分 株は余り大きくはならず、収穫量も少ないです。なので空豆は販売用ではなく自家消費専門の作物にしています。

空を向いていた莢(だから空豆と言います。)が倒れて、下を向いた頃が空豆の食べ時です。

収穫してきた大きな莢を割るとスポンジ状のふかふかベットのなかに実がついています。いつも思うのだけれど、空豆は大切に大切に守られている赤ちゃんみたいです。ほわほわふかふかの布団にくるまれて、すやすや眠っている。そんな印象を受けます。形もなんとなく、初期発生した頃の動物の胚みたいですしね。

空豆と人間は、実は遠い兄弟なのかも知れません。