想像力

 八月上旬に淡路から、お盆前に東京から友人とその家族が遊びに来てくれていました。両方 長男と年齢が近い子供がいて、子供同士一緒に遊んでいました。

夜になると子供たちはオバケ退治で家のなかを散策。でも、やっぱり怖い。想像力が暴走してワーワー言いながら親の元に逃げ帰ってきます。じぶんでもそうだったのだけれど、子供の頃って想像力が豊かですよね。見えないものを想像し、恐れおののく。大人になったいまは『オバケよりもよっぽど人間の方が怖いよ。』と、つまらない大人に…

でも、大人になってからも頭のなかで想像が膨らみ、自縄自縛してしまうことがよくあります。

 僕は20代の終わり頃にアラスカの河を、カヌーでキャンプをしながら降った事があります。人間の濃度が極めて薄い土地で、その分 野生が濃い場所でした。夕方(白夜なので明るいですけれど) キャンプをしようと岸に上がりテントを建てて、焚き火用の薪を拾いに森にはいると至る所にヒグマの足跡🐾が…。それもデッカイの❗人の掌よりも大きな足跡がテントのすぐ傍にたくさん残っています。

夜 怖くて眠れなかったです。枯れ枝を踏む音にドキドキしながらテントから覗くとヤマアラシと目が合ったり(笑)。

なんでもないときには無視できるのに、一度恐怖のループに捕らわれると想像力が暴走を始めます。余りにも怖くてカヌーのなかで眠った夜も幾日かありました。そのうちに慣れて、開き直って、普通に陸で寝てましたけどね。

後年 友人と二人でモンゴルの川をゴムボートで降っていた時にもキャンプ場所に狼が掘ったであろう巣穴が幾つかありました。朝起きて二人で朝食を食べていると、友人が『昨日は狼が怖くて眠れなかったです。』って言っていました。アラスカでのじぶんを見ているようで微笑ましかったです。朝の光のなかで、彼は『なんで?あんなに怖かったんだろう?』と

 

恐怖は一度とらわれると、そこから抜け出すことが困難です。悪い想像や恐ろしい想像が頭のなかをグルグル回り続け、その思いを排除するために冷静さを失った行動にでる場合があります。

例えば、隣人や隣国に対して『やられる前にやってしまえ❗』と喧嘩や戦争になったり、レールからはみ出す恐怖からうつ病になりながらも仕事を続けたりします。

実は、殆どの場合、そんなに大したコトでもないのですけれどね。

『じぶんよりも強いものがいる世界』を実感できた事、『恐怖の想像を頭のなかに閉じ込めてしまうと暴走しちゃう事』『本当に怖いのは恐怖に縛られて間違った判断をしてしまう事』

そんなことを若い頃に知れたのは、結構大切な事だったのではないかなぁと思う今日この頃です。