与えたり奪ったり

 友人や知人、近所の人に出会うたびに『台風大変だったね。お米大変だったね。』と声をかけてもらっています。ダメになったお米の話をすると皆さん心底辛そうな顔で『あんなに頑張っていたのにね~』と気遣ってくれます。ありがたいですね。

台風が去って幾日か過ぎて、少し冷静さを取り戻してきました。

今日も秋冬野菜の収穫をしました。風に煽られて所々破れているけれど、葉っぱ野菜達は元気にしています。

ふと『そーなんだよな。いつも、いつも僕は与えられてばかりいるのだよな。』と思いました。

 

 農家は、自然からいつも与えられて生きています。太陽と水と土が、ちいさな種を育み、お米や野菜を育ててくれます。時々、奪われる事はあっても、基本的には、いつだって与えられているのです。じゃなきゃ農業は成り立ちません。それなのに被害に遭う度に『自然は怖い』『自然は恐ろしい』と勘違いしてしまいがちです。

自然は与えもするし、奪いもします。

破壊と再生はきっとおなじモノなのじゃないかなぁ?と気付かされました。

倒れたナスの折れた枝のわきから新芽が芽吹いています。もののけ姫のエンディングみたいだなぁって、ぼんやりと考えていました。