土を焼く

 今年の冬は雪下野菜に挑戦してみようと思っています。雪下野菜と言うのは、文字通り雪の下から掘り出す野菜のことです。元々は雪国の自給貯蔵用技術だったのですが雪の下で長期間熟成、生育させることでエグ味が抜け、甘味や味が濃くなり一部地域ではブランド化されて静かなブームを呼んでいます。

これまでりんもく舎が借りていた農地は冬期間の車の接続が悪く(未除雪)、ただでさえ重労働になる雪下野菜は諦めていました。今年から除雪される道路の近くに5畝くらいの小さな畑を借り増しする事になりました。『じゃあ、やってみるか。』となった次第です。

 

 どんな野菜でも雪下に出来る訳ではなくて雪下に向く野菜は寒さに強いが大前提になります。初挑戦の今年はテストも兼ねて雪下、雪中(初冬に収穫して雪の中で保存)野菜を一通り試してみるつもりです。種類で書くと、雪下(人参、キャベツ、コカブ、ほうれん草)と雪中(白菜、大根、じゃがいも) です。

で、雪下野菜のなかで一番有名なスノーキャロットの作付準備を始めました。

人参は、肥料が少ない痩せ地でも栽培が可能ですし味の違いも出やすく、有機や自然栽培に向いています。ただ『草負けしやすい』と言う弱点があります。

発芽に湿り気が必要で、尚且、初期生育が遅い。つまり『ヨーイ、ドン!』で普通に雑草と勝負させると簡単にボロ負けしてしまいます。その為、初期~中期に草取りが必要になります。ただ、小さな人参を傷めないように雑草を抜くのは根気の要る大変な仕事なのです。

そこを解決する為に、りんもくでは『焼き土農法』をする事にしました。

耕運した畑に1メートル幅の畝を立て、透明ビニールマルチで覆います。透明なマルチは太陽光を土に届け、地面からの輻射熱は外に逃しません。結果、初夏の殺人光線を浴びた土の表面温度は70度くらいにまで上がります。その熱で雑草の種を焼いて、除草対策とします。

とりあえず、7月末の人参播種まで焼き焼きしてみます。