田植えと泥のビチャ夫

 愛犬で鈴木家三男の『黒豆』の右目の調子が三日前から良くなくて、『たぶん外傷だろう』とは思いつつ今朝 動物病院に連れていきました。原因は不明(たぶん角膜がなにかの理由で傷ついた)でしたが、大事には至らなそうでとりあえず目薬だけ貰って帰ってきました。よかった。

さてさて、本日はもち米の田植え(手植え)です。『もち米は売るほど作らなくてもいいや』って考えで『みのる式育苗ポット』で八枚分の量になります。(みのる式がわからない人には、なんの単位やら不明でしょうけど…)

縦列片側に30㎝間隔で目印の入った紐を張り横列も30㎝間隔で五条植えしていきます。俗に言う『尺角植え』です。(これまた知らない人は知らない単語) 目測で曲がらないように植えているつもりでも、やっぱり所々の歪みます。特に今日はスピード優先だったので うーん⤵️ な感じの仕上がりになりました。

 一心不乱で田植えをしていると後ろの方でドボンドボン、バシャバシャと水に飛び込む音がします。…振り返ると黒豆が目を爛々と輝かせながら泥水まみれに… そーだよね。犬も子供も水大好きだもんね。…

生暖かい水、泥の匂い、苗を潜り込ませる指の感覚、気持ちがいい。時々、晴れて暑く、時々、風が抜けて涼しく、気持ちがいい。と、『バタバタバタ』とヘリコプターのローター音が聞こえました。見上げると低空で四機の輸送ヘリコプターが飛んでいます。自衛隊でしょうか?アメリカ軍でしょうか?

地上の上 地面の近く 多少泥に埋まった昭和初期のように手植えをする男がひとり、空の上では最新装備を身にまとった最先端の軍人達

『そこから僕が見えますか?』

余りの境遇の違いに、なんだか不思議な気分になりました。非現実的で同じ星の同じ人の営みのなかとは思えない。どちらかが空想の産物なのかも知れません。駆逐されるのは、たぶん僕の方でしょう。

ドロノビチャ夫になった黒豆はヘリコプターなど気にせずに水面に映ったじぶんの姿に飛びかかり続けています。

これは現実だな。