謙虚と敬意

 まったくもって雨のない日々が続いています。天候の変動に強いはずの自然栽培なのですが、さすがに厳しい状態です。特に五月中~下旬に定植した果菜類の苗はヘトヘトになって今にも枯れてしまいそうです。

これまでは定植時にしっかりと灌水して以降は余程の事がない限り放任していました。小さいうちに厳しい環境に置かれた方が先々強い株になるからです。

でも、さずがにもう無理。と水路からエンジンポンプで汲み上げた水を散水しています。次の雨まで(予報では明日から崩れる予定)なんとか堪え忍んで欲しいです。

 農業と言うのは、詰まるところ『自然の理』なので、どんなに頑張ったところで努力した所で『意味なし』に帰する事が多くあります。そんなこんなで毎年打ちのめされてばかりなのですが、今年は特に滅入る事が多くありました。

淡路に住む僕の友人兼自然農の師匠と時々電話やメールをします。ある時、師匠曰く『自然に対して謙虚、敬意、礼がなければ自然栽培自体が成り立たないよね。』と言われました。

庭先を開墾して始めた農業を10年やっています。技術や知識や経験は、確かに当時よりも上がりました。増えました。でも『野菜や土の声を静かにちゃんと聞く』そう言う心は、あの当時の方が圧倒的に純粋にあったと思います。

うまくいかない時だからこそ、初心に帰りきちんと耳を澄ませられるようになりたいです。