今日から8月です。夜更けに激しい雨が降りましたが朝の収穫時には小雨になり上がりました。日中の作業中は久しぶりに太陽が雲の切れ間から覗いていました。

久しぶりの太陽光の下、畝と通路に生えた雑草をビーバーで刈り、株元の細かな所は手鎌で一株づつ整えていきます。

だいぶ大きくなってきた茄子の脇芽をかき、支柱を追加していきます。なるべくたくさんの陽が葉っぱに当たるように、考えながら、なすと相談しながらの作業です。数百本の茄子を一株づつ手入れしていく。樹形を見ながら、でも、無心で

こう言う時、時々、妄想のような、瞑想のような、迷走状態になります。

これまでの人生で見た景色や想いや言葉が、駒送り無声映画のように浮かんでは消えていきます。

高校三年生、突然周りがバタバタとし出して、未来の夢を描き出し始めました。なりたい仕事や学びたい事 『いつの間に皆そんなことを決めたんだ?』僕は不安に襲われました。

僕には、なりたいものも目指したいものも学びたい事もなーんにもありません。

どーしていーかわからないまま、バイクにキャンプ道具を積み込んで旅に出ました。別に旅がしたい訳じゃない。何処にも居場所がないだけ

ちょっとのつもりで出掛けた旅は、結局足かけ12年の放浪となりました。でも、何処に行きたかった訳でもない。なにかを見たかった訳でもない。なにかを感じたかった訳でもない。ただ、流れていただけの日々でした。

旅をしている人には一芸?を持つ人が多くて、旅先で出会った旅人たちには、音楽だったり、絵だったり、写真だったり、いろんな興味を持っている人がたくさんいました。

僕には、なにか極めたい事がなーんにもなかった。カラッポです。

旅に膿み、動くことさえ出来なくなっていた頃、奥さんに出会いました。そして、農業に出会いました。

 今更ながら、僕はラッキーだったと思います。百姓と言う人生をかけて目指したい生き方に出会えた事。なにを求めているかわからないまま、年を取り、朽ちていく人が多いなか、百姓に出会えた事が幸せなんだと思っています。

やりたいことはわかってる。

あとは、やるだけ