秋の音

 このまま来ないと思っていた夏は、ちゃんとやって来ました。暑い。

ずっとやりたいなぁ(やらなきゃなぁ)と思いながら、なかなか手が出せなかった休耕田で間作している乾豆(大豆、黒豆、小豆)の中耕除草をしました。短くなった雑草は、散髪した後のようにスッキリとしました。

 

 夏から秋に向かうこの時期は、野菜の収穫がたいへんになります。果菜類の実の成長は早くて、毎日の収穫がかせません。樹成りで放っておくと実が大きく成りすぎて食べられないだけでなく、樹自体を痛めてしまいます。子供(種)を作り育てるって、野菜にとっても、それだけ大変な事なのです。

秋の夜長に向かうこの時期は、日暮れが日一日と短くなっていきます。それでも日中の気温はまだまだ高いので、必然 気温の落ちた夕方にバタバタと早足で収穫を進めなくてはなりません。

暗くなってきたなぁ。と焦りながら茄子の収穫をしていると、草の影から『リリリリリ』と秋の虫の鳴き声がしました。極端な天候でこのままどうにかなってしまうのではないかと、僕らはバタバタとアタフタと日々を過ごしています。が、心配しなくてもキチンと地球は周り、季節は巡っています。

『もう、秋はすぐそこ』