食べ物の匂い

 鍼灸師の奥さんは食べ物に対しての考えがしっかりとあります。『医食同源。食べたものが、その人の心身を作る。』からです。普段から添加物や糖分(特に白砂糖)や悪い油を使った食品は、極力避けるようにしています。

僕は、と言うと、舌は割りとしっかりしています。が、奥さんと違って、普通にジャンクフードも食べます。暑い日にはコーラを飲んだり、長野市内へ野菜の配達をした時などはマックに寄ったりもします。

それでも10年奥さんと一緒にいて、ちゃんとした手料理をずっと食べていると、食品に対する味覚の感じ方も変わってきました。要は、身体が欲しているのか?頭が欲しているのか?の差なのです。

 そんな我が家で食べている食材は、野菜はもちろん僕が育てた野菜たちです。それ以外の多くは、自然派クラブと言う『ある程度、ちゃんとした食品』を扱う生協で頼んでいます。

(ここまで前振りです。)

先日、おなかが空いたのでスーパーで牛乳とパンを買いました。で、牛乳を飲んだら、なんか鼻に抜ける匂いを感じました。『ん?なんか、この匂い 覚えがあるなぁ』と…

近頃は、自然派クラブで頼んだ牛乳しか飲んでいませんでした。(元々、牛乳は身体に良くないと言う考え方を持っていて、常飲はせず嗜好品として、時々しか飲んでいません。) その牛乳では、感じなかった久しぶりの匂いの記憶。

二口目を飲んで『あっ、卵の黄身の匂いだわ』と気がつきました。

つまり、乳牛が食べた濃縮飼料の匂い(おそらく油分)なんですね。

採卵鶏も乳牛も経済動物として飼育されています。なるべく動き回らなくさせて(カロリー使うからね。)、高濃縮の飼料を食べさせて、卵なり乳を、なるべくたくさん収奪する。経費を抑え、利益のみの追及。その経費のみに重点を置いた飼料の脂の臭いなんです。

農業の世界と一緒なんです。

僕が自分ちの野菜を食べて感じるのは、味以前に匂いなんです。臭くない。

きゅうりも人参も大根も、臭くない。言葉で説明するのは難しいけれど、おなじ系統の匂いなんだけれども、慣行栽培で育てられた人参は『人参臭い』けれど、りんもく舎の人参は『人参の香り』なんです。

それが何処から来ている匂いなのかは正確にはわからないです。けれど、たぶん 化成肥料の臭いか、農薬に対して野菜が出す抵抗臭、防御臭なのではないかな?と僕は考えています。

うまくまとめられないのですけれど、匂い(におい)と臭い(におい)はおなじ漢字だけれど、ずいぶんと印象は違います。

いい匂いのする野菜を育てたいですし、みんなに食べてもらいたいと思っています。人参嫌いの子供も人参が嫌いなのではなくて、その奥にある化成肥料や農薬が嫌いなのではないのかな?と、スズキは考えております。

(うーん。うまく、まとめられない。)