田んぼの魚

 図書館で借りてきた『川』と言う絵本を長男と一緒に読みました。

内容は、山に降った雨水が集まり源流が始まって 渓流→上流→里川→(ちょっと寄り道して、池、沼、湖、用水路)→中流→下流→河口 と川(水)の一生とそこに住む生き物を場面ごとに描いた絵本になります。

そのひとつの場面に『田んぼ』がありました。そこにはカエルやミズスマシ、タニシなどと一緒に、鮒の子供やドジョウ、メダカ、鯰の稚魚などの魚が描かれていました。

それを見た息子に『お父ちゃんの田んぼにも魚は居る?』と聞かれました。

『魚は居ないよ。』と、言うと

『なんで?』と聞き返してきます。

『いまの田んぼは、川と繋がっていないから魚はやって来れないんだ。それに用水路はコンクリートでガチガチに固められているし、農薬や除草剤も流れ込んでいるからね。』と、僕が答えると

息子は、淋しそうな顔で『そっか』と言いました。

区画整理した田んぼは農機を使うには便利です。コンクリートで固められた用水路は、維持管理がとても楽になりました。その代わり川と田んぼの往き来はなくなりました。田んぼに住んでいたたくさんの命は何処に行ったのでしょうか?

効率化と利便性を追及する事が悪いとは言えません。でも、なにかを得れば、なにかを失うのだと思います。田んぼは命が循環する場所から、ただ稲を育てる場所になってしまいました。

なんか、寂しいなぁと思ってしまうのは僕だけなのでしょうか?