二ヶ月

 車を降りようとしてフッと座席のしたにある黒いタッパーが目に入りました。???なに、これ?全然記憶にありません。

座席の下から取り出すと側面に『糠漬け』と書かれたシールが貼ってあります。…?

夏に淡路島から自然農の師匠家族が遊びに来ていました。その時に一緒に海へ泳ぎに行きました。どうもその時の忘れ物のようです。

タッパーのなかには、なんだか真っ黒の怪しい物体が…恐る恐る蓋を開けると、なかには汁に浸かった黒い物体が…きゅうり?

カビなどは一切生えず、特に臭いもしない。ただ黒い物体が半分汁に浸かっているだけでした。

適切に育てられた野菜は、腐ったり黴が生えたりしません。ただ水分が抜けて、枯れていきます。自然界の草木がただ朽ちてゆくように

師匠の畑で採れたきゅうりを、師匠の田んぼで採れた稲の糠で漬けた糠漬け。さすがです。二ヶ月経っても微動だにしておりませんでした。