アスパラガス

 販売用ではなくて自家消費用に作付している野菜がけっこうあります。かかる手間と収穫量のバランスが悪い作物など。

信濃町は高原なのでさつまいもや里芋など南方系野菜の栽培には向いていません。一応、作付はしているけれど宅配セット用と言うよりは、自家用に育てて、余り分をセットに出しています。

豪雪地帯で越年栽培(通常は晩秋に、は種して冬を越して収穫する)ができない空豆も春蒔き栽培では収穫量が少なすぎて、販売用には育てる気になりません。ぼくが好きだから趣味で栽培しているのです。

アスパラガスは特に販売用には育てたくない野菜のひとつです。通常でも育苗から植え付け、収穫に至るまでの期間がながく、だいたい三年かかります。

アスパラガスの収穫適期は、春先の4月末から5月中旬頃。他の野菜が採れないタイミングです。この収穫時期のズレがぼくにとってアスパラガスを栽培する上での障壁になっています。

収穫時期が過ぎたアスパラガスは茎葉を繁らせて、翌年用に栄養を蓄えます。ちなみに基本的な話なのですが、可食している部分はアスパラガスの新芽になります。あの新芽を放置しておけばドンドン伸びて葉っぱを展開させます。竹と筍の関係と考えればOKです。

ただ、アスパラガスはそんなに強い作物ではないのです。結構、簡単に雑草に負けてしまいます。多年草なので土をリセットすることもできない。5月以降、収穫はしていないのに雑草の管理を適宜に行わなくてはいけない。これが結構たいへんなんです。夏の忙しい時期は、どうしても収穫中の野菜や栽培中の野菜の世話を優先してしまうものなのです。

ただ自然栽培で育てたアスパラガスはとっても美味しいです。スーパーで売っているものとは、全然違います。雑草負けしやすく、肥料も好き。だから、除草剤や化学肥料、農薬の使用がとても多い作物なので味の違いがとてもよくでます。

有機農家だから食べられる味なんですよ。