有機農家になった訳2

 前回の続きです。

前回 図らずも誰も知りたかないのに、自分年表のようになってしまいました。うーん。物事を順序立てて、端折りながら上手に説明するのは難しいですね。うーん。

まぁ、いいか。

そんなこんなで有機農業に対する偏見も誇大妄想的なあこがれもなく、当たり前のように有機農家となりました。でね。ここからが書きたかった事。

有機野菜を買ってくれるお客さんは健康の事を考えて有機野菜を手に取って下さる事が多いです。でもね。育てているこちらは、実は正直、お客さんの健康第一!とかは思ってないんですよ。(怒られそうだな…)ただ単純に虫がいて微生物がいて鳥が飛んでくる、そんな圃場の環境がすきなんですよ。

ホントに怒られそうですけれど、お客さまの健康を守るよりも、虫や微生物や鳥や獣が気兼ねなく生きていける場所を、僕は守りたいんです。

いや、もっとぶっちゃけると、そんな環境でぼくが農業をしていたいだけなのですよ。(あーあ、言っちゃった。)

でもね。有機農業や自然農をする上でそれがすごく大切なんだって近頃思います。

生物多様性が大切なんだと遠く北のシロクマを守らなきゃ!とかテレビで言ったりしてますが、確かに多様性は必要だと思います。虫やミミズや微生物や鳥や獣や雑草がいるから野菜も大病を患わず、食い尽くされることも無く、持続して循環して育つことが出来るんです。複雑(多様)であるほどバランスは崩れにくくります。詳しい原理は面倒くさいから書きませんけど…

にんげんは合理化とか省力化とかドンドン世界を単純に簡素にマニュアル化して理解しようとするけれど、絶対すべてを理解することなんてできないです。複雑に絡み合って支えあって食ったり食われたりしながら混沌と整然のなかで、世界はできていると思います。うまくは言えませんが

そして、そんなにんげんも他種となにひとつ変わりなどなくて、複雑に組み合わさった自然の一部なのだと思います。だから、他の生命とおなじように、多様性がないといずれ人自体が成り立たなくなるのではないのかと、野菜の世話をするなかで考えるようになりました。

だからね。遠くのシロクマの安否を考えるよりも、ウチの野菜を買ってください。その代金で僕が責任(生活かかってます!)を持って、ぼくの圃場のなかの生態多様性のお世話を続けていきます。ものすごーく遠いかもしれないけれど(本当は一番の近道?)、実はそれがお客さんの健康につながっているのかも知れません。

あっ、なんか最後は販促宣伝になったな。… まあ、いいか。

きょうは暑苦しい鈴木バージョンでした。おつかれさま。おしまい。