土の匂い

 りんもく舎の畑は雑草がたくさん生えています。と、言うか雑草のなかで野菜が育っています。草取りが面倒だからとかそう言う理由ではなくて、僕の理想とする畑の究極が野原だからです。

野菜のこぼれ種が自然発芽してモサモサと茂り、雑草が表土を覆いつくしていて初めてウチの畑を見た方にはどれが育てている野菜だかわからないとよく言われます。変な畑。

でもね。ぼくの方からすると雑草一本生えていなくて、整然と野菜だけが並ぶ畑の方が奇妙に不自然に見えます。

その土地に住む生命の総量と種類の多さが良い畑の証だとぼくは考えています。雑草は虫や菌の住処になり、深く張った根っこは土を耕し、枝葉や根は朽ちて堆肥になります。

肥料は殆ど与えていないので野菜の初期生育はとても遅いです。その代わり栄養を求めて深く張った根っこは病気や虫に対して強くなり、他の畑が終わってしまった後も細く長く収穫を続ける事ができます。

敷草の下は少し湿り気があり団粒状が発達してふかふかとしています。土を掬って鼻に近づけると少しツンとしたような良い土の匂いがします。

ぼくの畑で育つ野菜は結構しあわせなんじゃないかなぁ?と、しあわせな頭で僕は考えています。

今年の夏は暑かったから南方系野菜の里芋も大きく育っています。