はざかけ

 30日からスタートした今年の稲刈り。天候に恵まれて順調に進んでいます。三枚ある田んぼの内、二枚は終了して、残すところあと一枚です。これも半分弱まで終わったので、順調に進めばあと一日半ってところでしょうか。

全部で5反ある田んぼをすべて『はざかけ』でやるのは本当にたいへんです。僕一人だけでやるなら一日7、8畝が限界です。これでもかなり手が早い方なのですけどね。

足場(はざかけ足)分の稲を刈り、足場を組み、はざかけ棒にのる分の稲を刈り、一束づつ集めてはざかけ棒に架ける。稲束の数だけしゃがんで拾ってのせてを繰り返す。本当に厳しくて、単調な仕事です。

それでもコンバインを買うつもりはありません。

新車のコンバインは一番安いのでも百数十万円。中型機なら数百万円もします。しかも、それだけでは終わりません。コンバインが集めた籾を運ぶ容器、それから籾を乾燥する乾燥機も必要です。加えて、乾燥機を置く大きな倉庫も必要。

うちの規模じゃ、無理無理。

高価で大きな機械を買えば、それに見合った面積を耕作しなくてはいけません。自然栽培で、そんなたくさんの面積でお米を育てるなんて、考えただけで気が滅入ります。いまの五反ですら草取りの時期は涙を流しているというのに…

だから、りんもく舎の田んぼは、これからもはざかけでいいんです。高いところから、機械の上からではなくて、地面の上に足をついて、稲の気持ちで収穫をします。それくらいで丁度良い。

それにね。天日で干したお米は、太陽の香りがします。それは何物にも代えがたい香りなのですよ。