菜花の季節

 ここ数年のこの時期は春作準備でバタバタとしているのですが、今年は『為すがまま』『為るがまま』で行こうと考えているので割合ゆったりとしています。勿論、一日働いて夕方家に戻る頃には身体は疲れてはいるのですが、精神的に追われている感覚がない分、気持ちは落ち着いています。

多品目農家の我が家では、日々の食卓に上がる野菜は殆どが自家製になります。その時、その時期に採れる野菜をいただく。ありがたい日々です。ただ春先のこの時期は、あまり野菜がありません。越年したネギや冬越しの人参、芽のでかけたじゃがいもや萎びかけた貯蔵用のキャベツや白菜を食べています。

ただ身体は青い葉っぱを欲しています。そんななか春のとうたち菜は貴重な緑色野菜です。畑のあちらこちらで前年に取り残したアブラナ科葉物のとうたち(背を高くすることで虫に見つけてもらいやすくしたり遠くに種を飛ばします。)菜を見つけては嬉々として手折っております。個人的には白菜のとうたち菜がいちばんおいしいです。

春の菜花はほろ苦く、冬の間に身体に溜まった毒を排出してくれます。春の味です。