春と種

 今日も朝からいい天気!最高!家の前からは黒姫山と妙高山がドデンっと雄大な景色。うーん。気持ちいい。

まだまだ里には雪があるけれど陽射しはつよくなり昼の時間も少しづつ伸びてきてる。うん。春は着実にやってきてるね。

昨日遊んだから今日はちゃんとお仕事。米粉と玄米珈琲用のお米を籾摺りをしています。いま休憩中ね。

 

 2月も半ばを過ぎて畑の準備も少しづつスタート。ここ数日で春蒔き用の野菜の種をあちらこちらの種苗店へ注文。

りんもく舎ではこれまでなんとなくな感じで作付け品種を選んで育てていたのですが、今年からは本格的にできる限り固定種を中心に栽培し自家採取の比率を上げていく事にしました。

遅まきながら時間をかけて、自分で育てていく種の大切さに気がついた感じです。

野菜や穀類の種には「固定種」と「交配種」があって(遺伝子組換え種なんてヤバイのもありますが…)、スーパーなどの市場に出回っている野菜のほとんどは「交配種」になります。

F1種(一代交配)ってやつですね。

では、なぜほとんどの野菜が交配種なのかと言うと、めちゃ簡単に書けば「おなじ種の交配種と固定種の両方を作れば、交配種の方が利益が出る」からなんですね。

どうしてそうなるのか?それぞれの種の特徴から紐解いてみます。

F1種を簡単に説明すると病気に強いとかたくさん取れるとかの特徴を持った(父)親と(母)親をかけ合わせて、病気にも強くてたくさん取れる子を作る。そんな感じです。

(そこそこ)おいしくて、カタチが揃い、たくさん採れて、収穫期がまとまり、色づきがよくて、特定の病気に耐性があったり。すごいね!

こう書くとなんか交配種っていい事ばかりのように感じますよね。事実、普通に野菜を作って専業農家として生活するならば良い事の方が多いのです。だからみんな交配種を率先して作付けをします。

では、何が悪いのかと書くと利益性を追求する=たくさん採れる事を追求しているので肥料と農薬を使うことがまず前提になっています。味よりも(重要なファクターではありますが)市場流通性(形、色)が重視される傾向があり、個性的な風味は敬遠されます。(まぁこれは消費者の好みの反映でもありますけど)

そして、もうひとつが「交配種の子供からできた種(孫の代)は親(または祖父母)の形質を安定して引き継がない」事になります。誤解している人が多いのですが、種が出来ない訳ではないです。一代しか安定した作柄にならないんです。だから一代交配と言います。

孫の代はおいしいかもしれないし、おいしくないかもしれない。病気に強いかもしれないし、弱いかもしれない。そんな感じです。出現形質は種ごとにバラバラになります。また例え、翌年はうまくいっても翌々年はわかりません。

そんな不安定な種は商売としては使えないですから農家は毎年種苗会社から新しい種を買わなければいけなくなります。一度買うと止められなくなるのは遺伝子組換えとおなじです。

一方の固定種は、昔から行われてきた採種方法で個々の農家(または地域で)が代々じぶんの畑の野菜から良さそうなもの(おいしい、病気に強い、形がよい、たくさん採れるなど)を選択、選別しながら種を採り続けてきて、長い年月を経てだいたいの出現形質が安定(固定)している種の事を言います。

一代交配の技術ができるまでの種(固定種)は人為的な選別、選択こそあれ、自然に近い状態で採種されてきました。だから、いろんな野菜にはごく狭い地域に固有の種があったんです。古くから栽培されてきたナスやきゅうりなどはそこそこ有名なものだけで数百種類以上あったようです!

それはつまり農業と言うものが(特に野菜は)自給の為のものだったんですね。売り物にする意識が薄かったからこそ不格好でも本当にうまいものだけが、その土地にあったものだけが残っていきました。そう言う地域固有種はF1種子に駆逐されてほとんどなくなっているのが現状です。

なんか思いの他 説明がながくなったなぁ(汗)頭が悪いからうまく説明するのが難しいです。マトメるのも…

よく有機野菜のお客さんに「固定種じゃなきゃ絶対ダメ」と言う方もいますが、僕個人的には別に交配種がダメとも思ってはいないのです。

色や味がよくて、形も揃って、しかも(農薬や肥料を使って省力栽培するから)安い!そんな野菜が万人に受け入れられたからこそ、交配種が広く作付けされているのですから、ある意味では消費者の選択の末なんです。(遺伝子組換えやターミネーター種子は、原理が全く違うから受け入れてませんよ。)

それでも固定種の作付けを増やしていこうとしているのは、じぶんの育てた野菜から翌年の種を採り続けていきたいからに他なりません。自家採取を繰り返して僕の畑にピッタリと合った鈴木畑専用種を作りたいのですよ。なんか、その方が楽しそうだし自然じゃないでしょーか?

うーん。ながい(文書&鈴木固定種への道のりが!)