田んぼの生き物

 入梅して数日間雨が続いたもののその後は晴れの日が続いてる。今のところ空梅雨だな。ヘンな時期に天気の辻褄が合いそうで怖いです。

畑の野菜はいまひとつ調子が良くない。天候のせいもあるけれど、ぼくのミスも多分にある。まだまだ未熟者なので子供たちには迷惑をかけまくりです。なんとか、頑張って欲しい。

 

 血の繋がったほうの息子は日々畑で遊ぶことが多い。自然、野菜や虫やカエルに興味がでてくる。昆虫図鑑を見ながら「これはなに?」と質問攻めの日々。図鑑を眺めながら「そー、言えば、この虫畑で見かけないな。この虫近頃は田んぼで見ないな」と言うのが多い。

 ぼくは京都の片田舎で育ち、子供の頃は実家が自給用に少しだけ田んぼをしてた。(いま思えば手植え、手刈りだったなぁ。父ちゃん母ちゃん頑張ってたんな)だから、いまの息子と同じように田んぼや畑が遊び場でした。その頃の田んぼには、ドジョウやザリガニ、カエル、タイコウチにコオイムシ、ミズカマキリやタガメ、ゲンゴロウなんかが普通にたくさん住んでた。

いまはカエルやミズスマシ、アメンボを見かけるくらいで水棲昆虫の種類が本当に少ない。土地が違うせいもあるとは思うけれど、根本的に生命の総量が薄くなって感がある。

耕地整理の影響もあるとは思うけれど、いちばんはやっぱり農薬のせいなんだろうな。

雑草を殺す。害菌を殺す。害虫を殺す。殺しに選択はなくて、無差別殺戮。益菌も益虫も殺す。それらを餌とする両生類や鳥類も間接的に殺す。

生命の循環がなくなった田んぼでは、稲は育たない。だから、化成肥料をくれ、さらに農薬や除草剤に頼る。

 

 ちいさな虫たちがいなくなること、大したことじゃないと思う?安く、安定したお米を収穫する事と引き換えに、人にとって無益と思われる命が失われていく事。仕方がないと思う?目先の事に囚われて、足下の命を見過ごす事。しょうがないと思う?

感傷なんかじゃなく、ぼくはなんか違うと思う。ちいさい命が失われていく事は僕ら人間が生きていく土台が失われていく事と同じ事なのだと思う。

稲も野菜も地表に見える部分よりも目に映らない土の中が大事。土台がしっかりしていれば虫や病気に負けない。複雑な生命が持ちつ持たれつする事で、土台はがっしりとしっかりとする。ホントだよ。

土台を失った自然がいつまでひとの命を支え続けられるのか?ひとが生まれてから何百万年も続いてきた生命の輪がプツリと切れる。そんな時代に僕らはいきているのかも知れません。