百姓日記


空豆と油虫2

 野菜が虫害にあったり病気になったりする原因のひとつに肥料が大きく関わっています。そして、もうひとつの大きな要因に『野菜自体が健康でない。』があります。

健康でない理由は、肥料とも関係する『栄養過多』だったり『栄養不足』だったり、天候や気候に起因する『原産地と余りにも違う土地柄』や『時期ハズレの栽培』『多雨による多湿』『日照りによる干魃』『極端な暑さ、寒さ』などがあります。

で、今年のりんもく舎の空豆には、油虫が大発生しています。⤵️

言い訳にたどり着くまでが長かったけれど、原因は極端な小雨による渇水で、空豆自身が弱っていたせいではないか?と考えています。

空豆は、元々 油虫の付きやすい野菜ですし、気候的にも信濃町は寒すぎます。(暑いのが好きな訳でもないですけれど)いろいろ合っていない条件に➕した小雨渇水。今年の空豆は諦めました。

なんとか来年用の種取り用だけでも確保したいのですけどね。

空豆と油虫

 農薬なしの有機農業をしていると、よく人から『病気とか虫は大丈夫なの?』って聞かれます。特に慣行栽培をしている専業農家さんからは 経験上、そんなん絶対無理でしょ。って目で見られます。

でもね。僕としては『そんなん絶対無理』どころか、野菜の種類によっては『なんでこの野菜に農薬が必要なんだ?』とこちらが疑問に思うことも多々あります。それくらい両者の意識の隔たりは大きいのです。

 

 りんもく舎の田畑でも虫や病気の発生は勿論、起きます。ただ、栽培が不能になる程の規模では殆ど発現しません。発現させないために、少量多品目栽培をしたり雑草を生やしたり不耕起にしたり天気を見て作業手順を考えたりします。

田んぼとして見るから畑としてみるから無条件で常識として農薬や化学肥料が必要だと思うのです。だって考えてもみてください。野原の雑草が虫に喰われて全滅していますか?森の木々が病気にかかって、すべて枯れていますか?草原や森に農薬が必要ですか?肥料が必要ですか?

そんなことないですよね。

ではなぜ?田畑の作物だけが農薬を使わなければ壊滅的に虫害にあったり病気になったりする(ことがある)のか?

そこには、たくさんの要素があります。すべてを書こうとするとエライ事になってしまいますし、僕もすべてを理解しているわけではないので、 その一部の話をします。

病気や虫害に遭う大きな要因のひとつに肥料の存在があります。栄養分が多すぎたり少なすぎたり、または、未熟な堆肥を施肥したりすると虫害や病気にかかりやすくなります。

実は単純な事で『人とおなじなんです。』人も肉や脂、糖分を摂りすぎたら病気になりますよね。反対に食生活が乏しすぎて栄養不良になれば、これまた病気になりやすくなります。原理としては、野菜もおなじなんじゃないかと僕は考えています。

ちょっと話がながくなったので、次回に続きます。

 やっと待ちに待った雨が降りました。ドボドボと降りしきる雨のなか、畑の見回りをしました。『生き返った~』と野菜たちの声が聞こえてきます。

本当によく耐え忍んでくれました。ありがとう。

気の早いいんげん豆などは一晩で20㎝くらいも蔓を伸ばしています。きゅうりも急に背伸びしました。みんな雨に濡れて、生きる喜びを感じています。

一時 雨の止んだ隙を狙って秋どり用のきゅうりとズッキーニの播種をしました。夏どりのきゅうりとズッキーニは、4月末にハウスのなかでポット育苗をしてから定植します。でも環境さえ整っていれば直播した方が根の張りも良く元気になります。

今の気温ですと数日で発芽してくれることでしょう。

今シーズン最後になるとうもろこしの定植も済ませました。2週間ほど前に定植した前回のとうもろこしは干ばつの為にほとんど大きくなっていなくて、今回定植した苗とほとんどサイズがかわりません。最終的にどうなっている事やら…

気温が上がり、雨も降り、さーて夏野菜の成長期に突入しますよ!

謙虚と敬意

 まったくもって雨のない日々が続いています。天候の変動に強いはずの自然栽培なのですが、さすがに厳しい状態です。特に五月中~下旬に定植した果菜類の苗はヘトヘトになって今にも枯れてしまいそうです。

これまでは定植時にしっかりと灌水して以降は余程の事がない限り放任していました。小さいうちに厳しい環境に置かれた方が先々強い株になるからです。

でも、さずがにもう無理。と水路からエンジンポンプで汲み上げた水を散水しています。次の雨まで(予報では明日から崩れる予定)なんとか堪え忍んで欲しいです。

 農業と言うのは、詰まるところ『自然の理』なので、どんなに頑張ったところで努力した所で『意味なし』に帰する事が多くあります。そんなこんなで毎年打ちのめされてばかりなのですが、今年は特に滅入る事が多くありました。

淡路に住む僕の友人兼自然農の師匠と時々電話やメールをします。ある時、師匠曰く『自然に対して謙虚、敬意、礼がなければ自然栽培自体が成り立たないよね。』と言われました。

庭先を開墾して始めた農業を10年やっています。技術や知識や経験は、確かに当時よりも上がりました。増えました。でも『野菜や土の声を静かにちゃんと聞く』そう言う心は、あの当時の方が圧倒的に純粋にあったと思います。

うまくいかない時だからこそ、初心に帰りきちんと耳を澄ませられるようになりたいです。

補植が終わり、修行の始まり

 コシヒカリ田植え→ササニシキ田植え→ヒメノモチ手植え→コシヒカリ補植ときて、最後に残っていたササニシキの補植を済ませました。これで田植えは終了です。

今年は晴天続きで気温が高く水温も高くて苗の活着が早かったです。その分、雑草の発芽と成長も早くササニシキの補植中に既にあちらこちらでヒエが芽吹いていました。

田の草除草は目視で見え始めると『ちょっと遅い』状態でして、出来ればその前のタイミングで田んぼに入った方が除草効果は高いです。

でも、まぁ、既に生えてきているのだから仕方がない。補植終わりにそのまま続けて一回目の除草に入りました。

三枚ある田んぼ各々に、一週間→10日→二週間→二週間 と間隔を開けて都合四回の除草をします。草との戦いの始まりです。

修行の始まりです。

エンドウ豆トホホ

 春先一発目に蒔いた路地の葉野菜がポツポツと収穫開始になりました。雨が少なかった影響で成育も遅く、虫食いが多めです。

葉野菜ばかりになり見た目が今一つなのですが『それでもいいよー!』って言ってくださる常連さんへの宅配もスタートしました。『待ってましたよ。』『今年もよろしいね。』と、そんな言葉にパワーをいただきます。

 

 初夏に採れ出す実物野菜の空豆とエンドウ豆が小さな株のままで花をつけ、結実し始めました。…ヤバイ…。成育期間中の渇水が原因だと思います。種類の少い初期野菜セットでは重要な野菜なのに…どーしよー。

 

夏野菜の定植終わり

 成育の遅かった分の茄子とスイカ、ネギの苗を植え付けました。これでだいたい春植えの野菜の定植は終わりです。あとは後発組の甘瓜と南瓜、盛夏向き野菜がポツポツと残っているくらいです。

今年の育苗は、全体的に調子が良くなかったです。他所よりも成育が遅いのは、いつもの事なので問題ないのです。が、苗のハリ艶が今一つ。原因はなんだったのでしょーか。

兎に角、畑で元気に育って欲しいです。

皆がんばれ!

田植えと泥のビチャ夫

 愛犬で鈴木家三男の『黒豆』の右目の調子が三日前から良くなくて、『たぶん外傷だろう』とは思いつつ今朝 動物病院に連れていきました。原因は不明(たぶん角膜がなにかの理由で傷ついた)でしたが、大事には至らなそうでとりあえず目薬だけ貰って帰ってきました。よかった。

さてさて、本日はもち米の田植え(手植え)です。『もち米は売るほど作らなくてもいいや』って考えで『みのる式育苗ポット』で八枚分の量になります。(みのる式がわからない人には、なんの単位やら不明でしょうけど…)

縦列片側に30㎝間隔で目印の入った紐を張り横列も30㎝間隔で五条植えしていきます。俗に言う『尺角植え』です。(これまた知らない人は知らない単語) 目測で曲がらないように植えているつもりでも、やっぱり所々の歪みます。特に今日はスピード優先だったので うーん⤵️ な感じの仕上がりになりました。

 一心不乱で田植えをしていると後ろの方でドボンドボン、バシャバシャと水に飛び込む音がします。…振り返ると黒豆が目を爛々と輝かせながら泥水まみれに… そーだよね。犬も子供も水大好きだもんね。…

生暖かい水、泥の匂い、苗を潜り込ませる指の感覚、気持ちがいい。時々、晴れて暑く、時々、風が抜けて涼しく、気持ちがいい。と、『バタバタバタ』とヘリコプターのローター音が聞こえました。見上げると低空で四機の輸送ヘリコプターが飛んでいます。自衛隊でしょうか?アメリカ軍でしょうか?

地上の上 地面の近く 多少泥に埋まった昭和初期のように手植えをする男がひとり、空の上では最新装備を身にまとった最先端の軍人達

『そこから僕が見えますか?』

余りの境遇の違いに、なんだか不思議な気分になりました。非現実的で同じ星の同じ人の営みのなかとは思えない。どちらかが空想の産物なのかも知れません。駆逐されるのは、たぶん僕の方でしょう。

ドロノビチャ夫になった黒豆はヘリコプターなど気にせずに水面に映ったじぶんの姿に飛びかかり続けています。

これは現実だな。

田植え 機械植え

 天候と作業配分の関係で急遽日曜日の午後から田植えをする事にしました。友人の有機農家さんに4条植え乗用田植え機を借りてきて、微妙な感じの苗をセット。なるべく真っ直ぐに均等に植えられるように真剣な顔をしながらの作業(笑)。

でもね。歪む。歪む。

しかも途中から予報にない雨が降り始め焦る焦る。午後1時から4時まででなんとか二反分のコシヒカリを植え終わりました。

翌月曜日はもう一枚の田んぼの田植え。こっちはササニシキです。9時頃から始めて正午には終了。田んぼは正視するのも嫌なくらいな惨状に…

苗が失敗、耕起&代かきヘタ、極めつけに僕の機械操作技術が未熟と三重苦のお陰で稲はあっちふらふら、こっちふらふらしています。情けなし。

今日は残る一枚のもち米を手植えします。

逆さ黒姫

 6月1日の『田植え』に向けて、代かきをしました。これまではザザっと、軽く適当にしていた代かきですが(ちゃんと理由はあります。)、今年はかなり丁寧に行いました。(これまたちゃんと理由があります。)

トラクターのギアを低速にして、ロータリーは中速回転。対岸に在る目標物(花だったり、窪みだったり、電信柱だったり)に目線を合わせて、なるべく真っ直ぐに隙間なく効率よく進むように注意します。結構、神経を使うし、時間もかかります。

朝イチから代かきをしていると奥さんと次男が散歩に来ました。次男を、暫しトラクターに乗せてあげると不思議と神妙に真剣な顔をして、僕とおなじように前方を見つめています(笑)。

遠くに見える黒姫山と妙高山が水面に映り、とても綺麗です。

小さな苗

 毎度の事ですが百姓スズキは日々 失敗を繰り返しています。農業をはじめて10年。専業になって5年。なんとなく野菜たちの事がわかったような気になって、土の事がわかったような気になって、自信満々で、でも、まだまだたくさんの失敗をします。…難しい。

それでも10年前には気がつきもしなかったこと、一年前には解けなかった謎も、なんとなく少しづつ見えるようになってきたような気もします。たぶん、百姓を止めるその日まで、こんな日々の繰り返しなのでしょう。

今年は(も)育苗は順調じゃないです。気温が低かったせいもあり、まだまだちっちゃい。そして元気がない。…うーん。

それでも1日1日 小さな苗は大きくなっていきます。

僕もちょっとづつでいいから前進しなきゃな。って、教えられます。

土を焼く

 今年の冬は雪下野菜に挑戦してみようと思っています。雪下野菜と言うのは、文字通り雪の下から掘り出す野菜のことです。元々は雪国の自給貯蔵用技術だったのですが雪の下で長期間熟成、生育させることでエグ味が抜け、甘味や味が濃くなり一部地域ではブランド化されて静かなブームを呼んでいます。

これまでりんもく舎が借りていた農地は冬期間の車の接続が悪く(未除雪)、ただでさえ重労働になる雪下野菜は諦めていました。今年から除雪される道路の近くに5畝くらいの小さな畑を借り増しする事になりました。『じゃあ、やってみるか。』となった次第です。

 

 どんな野菜でも雪下に出来る訳ではなくて雪下に向く野菜は寒さに強いが大前提になります。初挑戦の今年はテストも兼ねて雪下、雪中(初冬に収穫して雪の中で保存)野菜を一通り試してみるつもりです。種類で書くと、雪下(人参、キャベツ、コカブ、ほうれん草)と雪中(白菜、大根、じゃがいも) です。

で、雪下野菜のなかで一番有名なスノーキャロットの作付準備を始めました。

人参は、肥料が少ない痩せ地でも栽培が可能ですし味の違いも出やすく、有機や自然栽培に向いています。ただ『草負けしやすい』と言う弱点があります。

発芽に湿り気が必要で、尚且、初期生育が遅い。つまり『ヨーイ、ドン!』で普通に雑草と勝負させると簡単にボロ負けしてしまいます。その為、初期~中期に草取りが必要になります。ただ、小さな人参を傷めないように雑草を抜くのは根気の要る大変な仕事なのです。

そこを解決する為に、りんもくでは『焼き土農法』をする事にしました。

耕運した畑に1メートル幅の畝を立て、透明ビニールマルチで覆います。透明なマルチは太陽光を土に届け、地面からの輻射熱は外に逃しません。結果、初夏の殺人光線を浴びた土の表面温度は70度くらいにまで上がります。その熱で雑草の種を焼いて、除草対策とします。

とりあえず、7月末の人参播種まで焼き焼きしてみます。

草原

 そろそろハウス内の植え付けの準備にかかりたくてハウスに積み上げていた昨年の脱粒で出た豆殻を集めて、茄子を植え付ける畝に敷きました。

菌床堆肥を漉き混んで以降、ずっと放置していた畑の通路に良い感じに雑草が生い茂っていました。

ハコベ、赤クローバー、白クローバー、タネツケ花、ギシギシ、ウサギ菊、ヒメジオン、菜花、燕麦、タンポポなどなど多種多様な草が茂っています。

各々が独立独歩でソコに在る。

押し合い、へし合い、喧嘩しながら、仲良くしながら小さな世界を作ってる。

『きれいだなあ』『イキイキしてるなぁ』

なんだか僕までニコニコしちゃう。

いい草原になりました。

もう少ししたら茄子も友達に入れて下さいね。

トマト苗の定植

 『そろそろ定植して下さいよ。』って大玉トマトが声をかけてきたのでハウスの自給用野菜を片付けて、定植をしました。ほぼほぼ葉物野菜も収穫済みだったので丁度良いタイミングでした。

野菜と一緒に生えていた雑草の内、大株になるアカザは根っこから抜き去り、あとは植え付け穴周辺の草だけを引き抜きます。育苗ポットプラスα分の深さに土を掘り、水を大量に注ぎます。で、そのまま冷たい水が温まるまで放置してからトマトの苗を植えました。今回は苗の成育が早い大玉だけです。

いつも不思議に思うのですが、大玉、中玉、ミニトマトの種を同時に蒔くと大玉トマトが一番早く発芽します。品種改良の度合いで考えればミニ→中玉→大玉と手が入っていると思うのですけど…

想像ですけれど、開花から完熟までに一番日数がかかるから、なるべく生育期間が長くなるように調整しているのかなぁ?と思います。

種は偉大だ❗

兎に角、元気に健やかに美味しく育って欲しいものです。

 

散歩

 やっとやっと待ちに待った『恵雨』です。一昨日の夜更けから昨日、そして、天気予報では今日と明日も☔マークです。(ちょっと降りすぎ?)

定植してからマトモに雨が降らず、定植時のサイズのまま黄色くなって枯れかけていた『ケール』が、たった一晩で元気を取り戻して倍くらいの大きさに育っていました。

辛い時期、苦しい時期に必死に根っこを伸ばしていたんだね。見えなくても頑張っていたら、いつか花咲く。教えられます。

 

 話変わって、犬の散歩のお話。

冬~早春の間は近所の山道や農道をフリーにして散歩出来ていた『黒豆』さんですが、農繁期に入り山や田畑に出る人が多く『フリーではちょっとな~』な感じになり、散歩場所に気を使うようになりました。

一日中20畳くらいのドックサークルに入れられて可哀想なので、せめて散歩は自由にさせてあげたい。でも、周りの人の手前、勝手気まま間は無理。…

そこで、今は休耕中の畑に連れていき放牧しています。ここなら広いし、人に迷惑もかからない。

黒豆は、『帰るよ~』の指示があるまで、あっちに行ったり、こっちに行ったりと楽しそうです。

立ったしっぽが左右にフワフワと揺れて『幸せなんだなぁ』って、伝わってきます。

渓流

 子供の頃から魚釣りが好きで小学生の僕が憧れたのは『渓流釣り』でした。普段、近所の川で釣る鮒やオイカワ、カワムツなんかの地味な魚に比べて、渓流魚の色鮮やかなコト。美しいパーマークと写真で観る深山幽谷に流れる清らかな小川での釣りにメチャクチャ憧れました。

中学生になり、行動範囲が広がり自転車で二時間かけて近くの里山に渓流釣りに何度も行きました。でも、そこで釣れるのは『養魚所で育てられたニジマス』です。それでも初めて手にした美しい魚に心を踊らせていました。

10年前、長野県に引っ越してきて、近所の用水路で岩魚を釣ったときにはびっくりすると共になんだか残念な気持ちになりました。『こんな所で釣れるのか…』と

昨日は野良仕事を午前中で切り上げて、車で20分くらいの山中を流れる鳥居川まで釣りに出かけました。たった20分の距離ですが戸隠神社の下流を流れる鳥居川は、しっかりと深山幽谷です。

山道を歩き、川原に到着。一時間半ほど釣りながら遡上して岩魚と山女魚を二匹づつ釣り上げました。誰もいない森の中を自由気ままに

楽しかった。

夜ご飯には釣り上げたばかりの天然渓流魚をいただきました。

渇水

 五月に入ってからまとまった雨が殆ど降っていません。畑の土はカラカラに乾いていて、定植した野菜どころか雑草も元気がありません。ひどい。

その影響なのか?4月20日と5月5日に播種した葉っぱ野菜の発芽が不良です。場所によっては殆ど生えておらず『野菜セットどないしよ?』そんな状況です。

農業はお天気商売とは言え、毎年毎年 こんな風に気候に振り回されていると苦笑いしか出てきません。雨乞いの踊りでも踊りますか。

田んぼの入水も始まり夏野菜の苗も少しずつ大きくなっています。

天気予報では、今夜は☔マークなのですけれど、どないでしょ?

四歳と一歳と五ヶ月

 二月一日に我が家にやって来た三男の『鈴木黒豆ちゃん』は、ものすごい勢いで大きくなっています。歯の生え替わりも進み、鼻面は伸び、既に幼年は卒業して少年の雰囲気です。

ボーダーコリーと言う犬種は『羊を追う。』使役犬として交配されてきたので、見た目は割と雑種臭いです。が、運動能力と頭は噂通りとても良いです。人間で言えば、まだ小学低学年くらいの月齢なのでしょうけれど『こちらの指示する意図』さえちゃんと伝われば2、3回教えるだけでスッと飲み込みます。

畝には入らず、通路を歩く。とか、マテの指示を解除するまで我慢強く待っていたり、余所の畑には行かない。などなど

まぁ、でも全て🆗って訳でもなくて出来ない事も多々ありますけどね。

一方で我が家直系の長男(4才9ヶ月)と次男(1才10ヶ月)には、全く指示が効きません。畑に連れて行けば畝を踏み、苗をひっくり返し、『静かにしているなぁ』と思っていたら土と水で泥々になっています。

『マテ』の指示は耳には入らず、『もう帰ろ』の指示には全力で抵抗。

でも、うちで遊ぶよりも泥まみれになって外で元気良く遊ぶのが大好きな長男と次男が、僕も奥さんも嬉しいです。

『亜里さん、毎日の洗濯物お疲れさまです。』

理想の産物

 200穴のセルトレイで育苗しているとうもろこしが『そろそろ植えてくれ❗』と言っていました。今朝が週間天気予報の低温日(少し霜が下りました。)で、降霜はおそらく今後はないだろう。って、事にして、とうもろこしの定植をする事にしました。

あらかじめ菌床堆肥をすきこんでおいた畝に数日前に刈った畦や斜面の草を敷き詰めて行きます。畝の上は柔らかそうな干し草を、通路には硬め(ススキなど)の干し草を敷いて行きます。

刈った草を乾かし、集め、畝や通路に敷く。割りと手間がかかります。苗の定植も草をどかして植える一手間が追加されます。

でも、やっぱり気持ちが良いんです。

ビニールマルチを張っていた時の気持ち悪さとは正反対の感覚。

土から生まれたモノを集め、また土に戻す。気分が良い。両手一杯に集めた枯れ草の香りも気持ちが良い。

僕の農業は『これで良いんだ❗』って、再確認した1日でした。

妥協の産物2

 生理的に気持ちが悪い。思想に合致してない。 & 設置と撤去が面倒臭い。 そんな理由でりんもく舎では、これまでマルチの使用を極力抑えてきました。

専業農家になって5年目の今年 今後の事やいろいろ考えて、テストの意味合いも兼ねてマルチ使用を増やしてみる事にしました。余り環境の良くない畑で全面的にマルチを使う。『マルチ特区』を作ってみました。

植え付けるのは、じゃがいも(防草、収穫と後作の簡便化)、里芋(地温上昇)、南瓜と西瓜(防草と地温)、落花生(地温)です。

トラクターで耕起して地肌が剥き出しになった土地に畝を立てマルチング。慣れないマルチ張りに右往左往しながらフッと頭を上げると『美しくない。』

『土が呼吸してないなぁ。』

これまでもマルチをまったく使って来なかった訳ではない。けれど、こう畑全面マルチだと『やっぱり気分は良くない。』です。作業をしている僕まで気持ち悪くなってきました。…息が詰まる。

今年の結果を見て、来期以降のマルチ使用を検討しようと思っていたけれど、既に『やっぱり多用は止めよう。』って結論になりました。

見開きの畑と下の畑、皆さんならどっちで暮らしたいですか?

(不耕起栽培8年目突入のりんもく舎の標準畑)