スーパーではありません。

 正確な数字はちょっとわからないですけれど りんもく舎では年間50品目120種類くらいの野菜を育てています。たくさんの種類を作付けするのは、効率の面では非常に悪いです。なのになぜ これだけ多くの野菜を栽培するのかと言うと、野菜セットの顔ぶれを増やしたいから&単純にぼくがいろいろ育ててみたいからです。ただね。やっぱりちょっと多すぎます。来年からは、もうすこし絞って作付けをしていこうと思っています。

慣行栽培農家さんなんかは効率よく数種類の野菜を大量に作付けしていて、それはそれで飽きっぽいぼくには無理そうです。

 

 就農当初は顧客数がじりじりとしか増えなくてたいへんだったのですが、いまは需要に供給が追い付いていない感じになっています。ありがたいことです。野菜を買ってくれるお客さんにもいろんな方がおられます。時々 困ったひともいます。突然 連絡をしてきて明日下さい。とか、全然時期の違う野菜を求められたりとか…冬にきゅうりは採れませんし、夏に白菜はありません。

スーパーでは一年を通して色とりどりの野菜が陳列されています。だから野菜の旬がわからなくなってしまっているのですよね。これは結構 問題だと思います。地産地消と言う言葉があるように『その土地で、その時期に採れるモノ』には、その地に生きるに必要なエネルギーが含まれています。

夏が旬のナス科やウリ科の野菜には、身体を冷やす作用があります。冬が旬の根菜には身体を温める効果があります。太陽に向かう野菜、地下に向かう野菜の違いです。春の山菜には冬に溜まった毒素を排出する力があるし、秋の葉物は夏に疲れた身体を癒します。自然はちゃんと出来ています。

サラダにはきゅうりとトマト。それは人が作り出した固定観念 冬は温かい鍋物でいいじゃないですか。

りんもく舎はスーパーではありません。突然 明日に野菜は揃えられませんし、時期外れの野菜はありません。太陽と水と土が、その時 その一瞬で与えてくれるモノしか育てられません。