白菜

 りんもく舎のいちばん古い畑は家から徒歩一分の所にあります。家を買い引っ越してきた年から借りているので、その畑は不耕起栽培8年目になります。

最初は家庭菜園でしたから、いろいろな野菜を育てていました。5年前に専業農家になってからは、ずっと茄子をメインに作付していました。その畑で昨年、茄子の連作障害がでました。なので今年は半分はとうもろこしを、残りはいんげん豆とキャベツを育てています。

先行早採りして収穫の終わった畝のとうもろこしをハンマーナイフでバラバラに砕き、そこに秋冬作の白菜苗を定植しました。

前作のとうもろこしは肥料食いの作物です。ウチで育てている野菜のなかではいちばんたくさんの菌床堆肥を畑に入れて育てていました。菌床堆肥は施設栽培のキノコを育てる培地の残りカスを酵素発酵させたモノになります。

菌床の主原料は、オガクズとコーングリッドと米糠です。肥料の分解速度は原料に含まれる炭素と窒素の割合で決まります。(農業用語ではC/N比と言います。)木質が主原料の菌床堆肥は、非常にゆっくりと分解していきます。(すべて分解するのに5年くらいかかると言われています。)

とうもろこしの食べ残した堆肥で白菜を育てる。更にバラバラに砕いたとうもろこしは敷草同様に畝を覆い、雑草の発芽抑制と菌類の住みやすい環境を作ります。

こう言う風に如何に手間を抜きながら効率よく、作物にとってより良い環境を作れるか。有機農家の腕の見せ所です。(自画自賛)

農家は身体が資本の仕事ですが、バカでは成り立たないのですよ。ホント