極相林?

 八年間不耕起栽培をしている畑が家の近くにあります。今の家に引っ越してきた時に、一番最初に借りた畑です。6畝くらいのちいさな畑。最初は雑草一本生えない状態でした。当時はまだ専業農家になる前で、農業の楽しさに目覚めた頃でした。

本で読んだ知識やじぶんの感覚を信じていろんな事をその畑で試しました。自家用での栽培だったから狭い畑にすごい種類の野菜を育てていました。雪解けから降雪まで毎日毎日飽きることなく畑に没頭をしていました。いまある僕の土台を育ててくれた畑です。

大切に一生懸命手を入れたからでしょうか?その畑で育てる作物は、かなり立派でおいしい野菜たちでした。今年も夏作にキュウリやいんげん豆、スティックブロッコリーなどを育てて、その後作に白菜を育てています。

が、白菜の成長がいまひとつ。

悪い状態と言う訳ではないのです。葉っぱの色は淡く美しい。虫食いなども殆どありません。白菜の株まわりに生える雑草もやわらかくやさしくうつくしい感じです。畑の状態としては、全然悪くない。むしろ、ぼくの好みの感じです。ただ、成育が悪い。

なぜなのだろう?と考えます。

極相状態になったのではないか?と思うのです。

極相とは、生物群集の遷移の最終段階で見られる平衡状態のことを言います。

ぼくの考えでは、自然農は畑のなかの安定を目指す農法だと思っています。耕起したり施肥したりすることで乱した自然界(畑)のバランスを整える方へと向かう手伝いをする農法だと思っています。(なんかうまく例えられませんけれど)

安定することを目指して畑と向き合ってきた。その結果、畑が安定しきった状態(極相)に至ったのではないだろうか?と

安定している状態と言うのは、状態としては決して悪いわけではないのだけれど、畑として作物を育てるには安定し過ぎているのではないか?不安定な揺らぎは、害虫や病気を呼び寄せもするのだけれど、作物が育つ活力の源でもあるのではないか?と思うのです。

安定して安心して緩みきった畑では、白菜も大きくなろうとする意思を失うのではないだろうか?と思うのです。

まぁ、真実はわからないのですけれどね。うーん。