農と業

土をいじりはじめて14年、専業農家になって8年が過ぎようとしています。自給自足に憧れて借家の前の野原を開墾してはじまった農のある暮し。あの頃から人類は進歩したのだろうか?退化したのだろうか?どうなんだろう。

社会情勢は混沌の色を日増しに濃くしてゆく。暗闇に向う黄昏の世界の中でなんとか僕と僕のまわりの人達が生き延びられる土台を築きたいとちっぽけな安心を得たいと思ってきた。それでも眼前に迫る漆黒の闇を思うと心がギュっと萎縮してしまう。

コロナ狂騒曲は歪んだ社会構造と自分達の生命にすら無関心な人達が殆どを占めるこの国の現状をまざまざと見せつけられた。国民の8割が思考停止をして、よくわからない毒を云われるがままに身体に受け入れる。僕が有機農業をやっている意味なんてないな、そんな無力感に襲われる。

みんな一生懸命に生きているハズなのに頑張れば頑張るだけ空回りして幸せに手が届かない。他者に自分の存在を証明してもらうことに血道を上げ、イイネの数で一時の安心を得る。一生それを続けるつもり?

自分の心は自分のモノで自分の心を満たすには自分の足で歩き自分で満たすしかない。

自己満足ならば一生なくならない。

気がついた人達と気がつかないと決めた人達。道はふたつに大きく離れてゆく。

僕たちの未来に闇があるとしても光を求め続けたい。